何度でも、伝える愛の言葉。
君だけを見て
【澪 Side】
樹季くんからのメールを見て、私はスタジオへ来た。
昨夜はほとんど眠れず、今日は練習を休んでしまった。
昨日。
ライブが終わった後に早坂先生に会った。
ずっと一緒に居ると誓ったはずなのに、先生は私のことなんてもうどうでも良いみたいで。
もう…じゃなくて、きっと最初からそうだったんだ。
最初から私なんて、先生にとって小さくて軽い存在でしかなかった。
私が初めて心を開いた人で、私に初めて“好き”という気持ちを教えてくれた人。
狭い行動範囲の中で生きていたあの頃の私にとって、先生は全てだった。
どんなに不安なことも悲しい思い出も、先生の声が、音が、癒してくれた。
だけど本当は、全部偽りだった。
昨日の先生の声が頭から離れない。
好きじゃなかった…
ちょうど良かった…
先生はそんなことを言う人じゃなかったよね…?