何度でも、伝える愛の言葉。
『俺、澪のことが好きなんだ。
出会ったときからずっと。』
「うそ…。」
今度ははっきりと聞き取れた言葉。
でもすぐには信じられない。
樹季くんが、私のことを好きだなんて…。
『ずっと澪を見てきた。
悩みながらでもいつも音楽を楽しんでて、ピアノ弾いてるときが1番幸せそうで。そんな澪を見て、メンバーとしてじゃなく彼女として傍に居てほしいって思うようになったんだ。』
悩みながらでもいつも音楽を楽しんでいるのも、歌っているときが1番幸せそうなのも樹季くんの方だ。
私だってそんな樹季くんをずっと見てきた。
まるで鏡を見ているような感覚で私たちはずっと向き合ってきた。
同じだ、と思った。
孤独を映し合って傍に居ることを決めた私と先生と、同じだ。
『澪…?』
黙ってしまった私を樹季くんが不安そうに見る。
傍に居れば、いつかこの人も失ってしまうかもしれない。