何度でも、伝える愛の言葉。
『なぁ、澪。』
「なに?」
悟くんは抱えていたギターを降ろして私に向き合う。
『気持ちが変わったり付いて行けないって思ったらいつでも言えよ。俺らは本気でデビュー目指してっけど、澪は引きずり込むみたいに強引に入れちゃったし。』
「そんなことないよ、私が入りたくて入ったの。私も皆と同じ気持ちだから。』
やっと見つけた、私がピアノを弾ける場所。
だからここを、大切な居場所を、自分から離れることなんてしたくない。
『だったら良かった。でも何かあったら言えよ?早坂先生から澪のことちゃんと見ててやってくれって言われてるからさ。』
「えっ?」
早坂先生が…?
ちゃんと見ててやってくれ…?
「それって、どういう意味?」
『さぁ、意味までは分かんねーけど、先生も先生なりに澪のこと気にかけてくれてるんだろ。』
気にかけてくれてるなんて、そんなはずない。
そんなはずないのに…罪滅ぼしだって要らないのに…ほんの少しだけ、嬉しいと思ってしまった心に戸惑う。