何度でも、伝える愛の言葉。

『悠くんのことが、すごくすごく好きだったんだって思った。信じてもらえないかもしれないけど…自分じゃなくて、悠くんのことがちゃんと好きだった。』

「だったら…」


すぐに戻ってきてくれれば良かったのに。


その言葉は声にならなかった。

ずっと好きだったのに。

俺も灯里も、お互いのことがずっと好きだったのに、会えなかった期間が心に押し迫ってきて。



「なんで今日来てくれたんだ?」


危うく俺も泣きそうになるのを堪えて聞く。



『私ね、地元に戻ってからずっと悠くんのこと忘れようとしてた。勝手に離れてった私が悠くんのこと想い続ける資格なんてないって思ってたから。
でもね、偶然聴いてたラジオでこのオーディションを特集してたの。最終審査に残ってるバンドの音源が流れて、Refrainが残ってることを知って…』


灯里はそこで一旦言葉を止める。

きっと灯里がそのラジオで聴いたのは俺が灯里に向けて書いた曲だ。



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