何度でも、伝える愛の言葉。
程なくして悠人と澪もやって来て、俺たちは丸く円になって座り反省会を始めた。
会場はあんなに盛り上がっていたのに、なぜ引っかからなかったのか…。
それぞれに思うことを言っていく。
単純に楽曲のクオリティーの問題。
観客とのコミュニケーション。
1人ひとりの演奏力。
大きな舞台での経験不足。
それぞれがひとつひとつ挙げていく中で、最後まで意見を言わない誠太に自然と視線が集まる。
「誠太…?」
そっと声をかけたけれど、俯いたままで目が合わない。
『お前、そんな落ち込むなって!彼女の前で結果出せなかったからって今日が全てじゃないんだからさ!』
『そうだよ!まだまだこっからだろ?』
悟が肩をたたきながら励まし、悠人も明るく続ける。
『こっからって、いつ始まんだよ。』
「え?」
いつもの明るい調子ではなく低いトーンで呟やかれた声はやけにスタジオに響いた。
それが、誠太以外の4人が静まり返ったからだと気付く。