何度でも、伝える愛の言葉。

『ごめん。樹季くんには関係ない話だよね。』

「関係なくないよ。
澪が思い出したことがつらいことなら…つらいことなら、俺が支えになりたいから。」


口ではそう言いながらも、こんなにも簡単に思い出せる程に良基さんは澪の中に根付いているのだと知って動揺している。



『おおげさだよ。ほんと、大したことじゃないから気にしないで。』

「…そうか?なら、良いけど。」


本当は大したことじゃないなんて強がりだと分かっている。

だけど澪が話したくないのなら、俺はその気持ちを大事にしたい。



「でも、良かった。」

『え?』

「俺たちとデビューする気失くしたのかと思ってたから。」

『そうだったの?』


ずっと確かめたかったこと、ずっと引っかかっていたことを聞くと、澪は本当に驚いた表情で笑う。



『デビューしたいと思ってるよ。皆と一緒に。
ライブだって沢山やりたいし、CDも出したい。』

「そっか。良かった…。」


改めて、澪のその気持ちを澪自身の言葉で聞くことができて心底ホッとする。


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