何度でも、伝える愛の言葉。
それと同時に、澪が浮かない顔をしていた原因を知ってしまったことは少なからず俺に影を落とした。
澪の中では今でも、笑うときも泣くときもその理由はいつも良基さんなのかもしれない。
「なぁ、今度デートしようか。」
『え?どうしたの急に。』
それを塗り替えられるのは俺だけで、良基さんはそれを望んでくれた。
超えろよ、と。
背中を押してくれた。
『デートっていつもしてるじゃん。』
「いつもって、一緒に帰ったりとかだろ?そういうんじゃなくて、ちゃんと予定決めて出かけるやつ。」
『あぁ、いいね。』
澪の顔がパッと明るくなる。
大丈夫。
澪は俺を好きでいてくれる。
この笑顔ひとつで、癒される奴が、ここに居る。
『どこがいいかなー。』
「どこでもいいよ。澪の好きなとこ。」
『どこでも?本当に?』
どうしようかな、と考え始めた澪の手をもう1度ギュッと握り直す。
超えたい。
2人で、澪が忘れられないあの日々を。