何度でも、伝える愛の言葉。
『こんなどっち付かずな気持ちだったことに気付いて、正直自分でも戸惑ってる。』
「誠ちゃんは、誠ちゃんだよ。お兄さんに対する気持ちは私には分からないけど、誠ちゃんが間違ってることも自分を責めることも何もないと思う。」
そんな姿に堪え切れず、私の方が必死になってしまう。
『そうだよ誠太。俺だって誠太の状況に居たら悩むよ。』
私の言葉も樹季くんの言葉も今の誠ちゃんには響かなかったのか、表情が明るくなることはない。
『ありがとな。…でもちょっと考える時間もらってもいいか。』
『当たり前だろ。ゆっくり考えてまた答え聞かせてくれ。』
そう言うと誰にも止められないスピードで部屋を出て行った誠ちゃんに、悟くんの声が届いたかどうかは分からない。
『お前らはどう思うんだ?今回のこと。
俺はこれでデビューできるならしたいと思ってる。だからお前らの気持ちも聞いておきたい。』
4人になった部屋で、悟くんがすぐに切り出す。