何度でも、伝える愛の言葉。
『澪が居ればデビューも近いかもしれないって思ってたよ、最初は。でも俺、どんなに澪から一緒にデビューしたいって言われても信じられなかった。』
いつだったか、皆と一緒にデビューしている姿を想像したことがある。
なぜかそこに自分の姿は思い描けなかった。
見ていた未来は、皆同じだったのか。
『俺から誘っておいてこんなこと言うの間違ってるって分かってる。でも…澪が入って、悠斗も樹季もバンドに懸ける想いが薄くなったようにしか思えないんだ。』
私に灯里さんを重ね好きになろうとしたけれど、その後灯里さんと再会し再び恋人同士になった悠くん。
そして私と樹季くんも付き合い始めた。
恋愛へ気持ちが傾いていく中で、音楽一本に打ち込む悟くんとの間に温度差ができていたことに気付けなかった。
悟くんは言っていた。
恋愛したって良い。バンドも本気でやるなら、と。
私たちには、それができていなかったのだろうか。