何度でも、伝える愛の言葉。
『俺はバンドに懸ける想いが薄くなったとは思ってない。仮に悟がそう感じたとしても、それは澪のせいじゃない。俺自身の責任だ。』
樹季くんの言葉を素直に飲み込めずに戸惑う。
樹季くんは何も悪くないのに、私をフォローするためにこんなことを言わせてしまっていることが申し訳なくて。
『そうだよ。俺だってバンドへの気持ちは変わらない。澪が入ったから想いが薄くなるなんて、そんなことあるわけないだろう。』
『正直言って俺はお前ら3人の恋愛に振り回されてるよ。』
悟くんが言っていることは紛れもない事実で。
ずっと優しくて恋愛にも協力的に見えていた悟くんだけど、本当は胸の底に本音を抱えていたんだ。
『応援してくれてたんじゃないのかよ。悠斗のことも…俺のことも。』
樹季くんの声が震える。
裏切られたと感じたのだろうか。
もう、誰の本心も読めない。
『してたよ。上手くいけば曲にも反映されるだろうから。でもお前らは、いつまでも恋愛が最優先だろ。』
「そんなこと…」
ない、とは言えなかった。