何度でも、伝える愛の言葉。

『…ごめん、嫌な言い方になった。』

「ううん、誠ちゃんの言う通り。私は自分が傷付きたくないんだと思う。」


だから周りが見えなくて、樹季くんのことも見えていなかった。

先生のことは断ち切ったつもりで、だけど本当は全然断ち切れてなくて。

樹季くんと先生に何かあるかもしれないなんて、想像すらできなかった。



『俺が知ってるのは、樹季が澪ちゃんに告白する前に早坂先生に会いに行ったってこと。それだけだよ。』

「…会いに行った?」


樹季くんが私に告白してくれたのは、私が最後に先生に会った後だ。

あの日、ライブハウスで先生と樹季くんは出会っている。


会いに行ったとは、そのときのことじゃないのだろうか。

違うとしたら…樹季くんはいつ先生に会い、何を話したのだろう?



『樹季は樹季なりに、澪ちゃんと向き合おうとしてる。それと同じように、早坂先生とも向き合いたいんじゃないかな。』


どうして…?

どうして樹季くんが先生と…?


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