何度でも、伝える愛の言葉。
そして私には、もうひとつ伝えなくてはいけないことがある。
樹季くんへ。
もうこれ以上は、一緒に居られないということを。
樹季くんはいつの間にか先生と知り合っていた。
先生の心の中に私はもう居ないと聞いているかもしれないけど、私の心の中に先生が居るのなら樹季くんと一緒に居続けることはできない。
樹季くんを好きになった気持ちは決して嘘じゃない。
本当に好きだった。
何があっても俺が澪を放さないと言ってくれた声も、抱き寄せてくれた温もりも、全部憶えてる。
初めて会ったあの日から今日まで、私の記憶の中にいる樹季くんは優しさに溢れている。
樹季くんの記憶の中に居る私も、同じように樹季くんを救えていただろうか。
もしかしたら苦しめていただけなのかもしれない。
樹季くんの優しさに甘えなければ、樹季くんを傷付けることはなかったのに…。
最後にちゃんと想いを伝えたい。
ありがとう、ごめんね。と。