何度でも、伝える愛の言葉。
『誠太…ごめん。』
悟の声は聞こえたのか聞こえなかったのか、誠太は力なくソファーに座り込んだ。
どう声をかければ良いのか分からず、俺も悠斗もただ黙るしかなかった。
『でも、』
『ははっ…ははは。』
何か弁解しようとした悟の声に誠太の乾いた笑い声が被さる。
「誠太?」
『そうだよな、うん。じゃなきゃ一緒にやんないよな。』
そう言った誠太の声は、今までと何ら変わりないものだった。
いつもの、明るく能天気でお調子者の誠太そのものだった。
『だよなー。あぁ、やっぱすげぇな兄貴は。』
無理をしているわけでも、自虐的に言うわけでもない。
いつもの、本当にいつもの誠太だった。
『てことは、兄貴のお陰で俺もバンドを組めたわけだ。そう思うと感謝しなきゃいけねぇよな。』
今度はしみじみと言う誠太に俺たちは付いていけずにまた黙り込む。
『誠太…怒って、ないのか?』
ようやくのことで悟が聞いたことは、今俺たち3人が感じている疑問だった。