何度でも、伝える愛の言葉。

こたえ合わせ


【澪 Side】



昨日のライブ後、自宅へ帰った私の携帯に何通かメールが届いていた。


誠ちゃんからの「バンド続けることにした!ありがとう!」という明るい報告。

悟くんからの「ひどいこと言ってごめん。ちゃんと謝りたい。」という率直な謝罪。

悠くんからの「デビュー決めたよ。心配しなくても澪の居場所はここにあるから。」という心の底からの優しさ。


そして樹季くんからの「ゆっくり話したい。」というたった一言。


私の居場所はここにあると言ってくれている悠くんのメールを読む限り、私が辞めると言ったことを誠ちゃんは話していないのだろう。

私から直接伝える機会を守ってくれたその優しさが誠ちゃんらしくて、バンドを続けてくれることに喜びが込み上げる。


誠ちゃんや悠くんや悟くんとも話したいことは沢山ある。

それでもまず私は樹季くんと話さなければいけない。

もう二度と、樹季くんの優しさに甘えてしまわないように。

自分の意志の弱さを認めて、樹季くんに寄りかかってしまったことを謝りたかった。



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