何度でも、伝える愛の言葉。
始まりの音
【悠斗 Side】
中高の同級生である樹季、悟、誠太とバンドを組んで5年の月日が流れた。
“モテそう”という理由だけでギターを始めた悟に乗っかって樹季が歌うようになり、自然と俺と誠太もその中に入った。
そして正式にRefrainを結成した。
友達からメンバーというかけがえのない存在に変わり、同じ夢を見てひとつの音を鳴らす。
デビューしたいと真剣に思ってはいるけれど、デビューできる保証なんてどこにもなくて、ただひたすら練習する毎日。
いつしか楽曲も自分たちで制作するようになり、路上やライブハウスでのライブも始めた。
そしてそれと同時に俺たちはキーボードのサポートメンバーを探すようになる。
そんなときに出会ったのが澪だった。
最初に澪に会ったのは悟だ。
昼休みに中庭でエアギターをしているところを見られたのだという。
初めて澪を見たときの印象を、悟はこう話した。
『人を信用してないような目してた。』