何度でも、伝える愛の言葉。

学校終わりでスタジオに行くと、悠斗が１人でベースを弾いていた。

ライブは、もう明日に迫っている。



『おう。』

「早いな。」

『もう明日だからな。』


すぐに他のメンバーも来るはずだ。

その前に、悠斗に聞きたいことがある。

大切なライブ前に話すことではないかもしれないとは分かっているけれど。



『なぁ、お前さ。』


ウダウダ迷っていると、悠斗が先に口を開いた。



『澪に聞いた？…スクールとピアノ辞めようとしてた理由。』

「…いや、聞いてないけど。」


なんで、今そんなこと聞くんだ？

もしかして…



「お前、聞いたのか？」

『聞いてねぇよ。てか、聞けねぇよ…。』

「だよな。」


聞けないよな。

それに、澪も聞かれたくないんだろう。


だったらスルーすればいい。

知らないフリをしてればいい。

澪のためにも。


だけど今の俺たちにそれはできない。