何度でも、伝える愛の言葉。

『俺、あの先生が気になるんだよな。早坂、だっけ。』

「なんで?お前会ったことねぇだろ。」

『ないけどさ。悟が早坂先生の話したとき、いつも澪の顔変わるんだよ。硬くなるっていうか…。』


確かに、それは俺も感じたことがある。

だけど、そんな数秒の些細な変化なんて、ずっと澪を見てないと気付けないはずだ。

俺が知らないフリをできないのは、澪が好きだからだと思う。

好きだけど…メンバーとしてやっていきたい気持ちの方が、今は大きい。


だからこの関係は壊せないし、壊さない。

でも、悠斗は違うだろ?



「お前はさ、なんでそんなことに気付けるわけ?悟も誠太もそんなこと全く思ってないと思うけど。」

『お前は分かってたか?』

「あぁ。」

『じゃあお前はなんでなんだよ。なんで気付けるんだよ。』


試すような、悠斗の視線。

俺が澪を好きだということを、こいつはきっと分かってる。


そして、間違ってる。


< 31 / 276 >

この作品をシェア

pagetop