何度でも、伝える愛の言葉。
『灯里は…、』
『うぃーす。』
悠斗が何かを言おうとしたとき、悟が入ってきた。
『…あ、れ?なんかあった?』
微妙な空気を感じたのか、悟が気まずそうに聞く。
「いや、別に。誠太と澪は?」
『さぁ、すぐ来るんじゃね?』
何事もなかったかのようにベースを鳴らし始めた悠斗を横目に、俺もマイクをセットする。
『おいっす〜。』
『こんにちは。』
3人とも何も話さないまま黙々と準備をしていると、誠太と澪が来た。
「一緒だったんだ。」
『あぁ、コンビニで会って。』
気まずい空気なんて何も感じていない様子の誠太のおかげで、少し場が和む。
そんな誠太の隣でそわそわと視線を揺らしていた澪と目が合った。
「始めんぞ。」
何もないよ、そんな気持ちを込めて澪の頭に手を乗せると、澪も小さく頷いた。