何度でも、伝える愛の言葉。
◆第二章◆
【悠斗 Side】
『悠斗!』
5人になって初めてのライブが終わった後の帰り道で、悟が俺の肩を掴んだ。
『お前、なんだよ今日の。』
「悪かったと思ってるよ。ちょっと1人にしてくれないか。」
『おい、待てよ!』
『悟。』
樹季が悟を止めた隙に1人で先を急いだ。
ライブは上手くいったし、周りから見れば成功と言えたかもしれない。
澪も初ライブをしっかりとこなし、ライブハウスのスタッフからも好評を得ていた。
ただ俺は、ここ最近の練習で出せていた程の演奏はできなかった。
それを知っているから、悟はきっと納得がいかなかったのだろう。
自分でも出来が悪かったことくらい分かってる。
その原因も、はっきりしている。
昨日、樹季に言われたことだ。
久しぶりに灯里のことを言われ、自分でも驚く程分かりやすく動揺していた。
ある日、突然俺の前から居なくなった、大切な大切な恋人。