何度でも、伝える愛の言葉。

『これ、バンドのことだよな。』

「うん。悠くんからいろんな話聞いて。私が入る前のこととか。」


歌詞を見て、悟くんはすぐに気付いてくれた。

樹季くんは過去に想いを馳せるように、指で歌詞をなぞっている。



『この曲、次のライブまでに完成させて絶対演ろうぜ。』


樹季くんの言葉に皆が頷く。



『ありがとな、澪。』

『良かったな。』


ありがとう、と言ってくれた樹季くんと良かったな、と言ってくれた悠くん。

優しい目で微笑みながら頷いてくれる誠ちゃんと悟くん。


いつまでも、いつまでも、この歌詞を書いたときと同じ気持ちで同じ場所を目指していられると信じていた。


これからもずっと、この歌をこのバンドで歌い続けていくのだと、私は信じていた。



< 50 / 276 >

この作品をシェア

pagetop