何度でも、伝える愛の言葉。
なのにどうして、先生は私を忘れてくれないの…?
本当はそうやって、ずっと私を笑ってるの…?
『澪。』
気付くと樹季くんが隣に立っていた。
『今日一緒に帰らねぇ?』
「あ、うん。」
それだけ言うと、樹季くんはまたマイクの前に戻って行った。
何か、気付かれただろうか…。
練習を終えて、樹季くんとコンビニでジュースを買って公園に寄った。
ベンチに並んで座り、練習内容のことや学校のことなど、とりとめのない話をする。
『なぁ、ひとつ聞いていい?』
「うん、なに?」
『スクール辞めたこと、後悔してる?』
「え?」
ハッとして樹季くんを見ると、まっすぐに私を見つめている目にぶつかった。
嘘偽りのない、樹季くんらしいとても綺麗な目だった。
「どうしたの、急に。」
『急じゃないよ。澪がバンド入ったときから思ってた。』
なんとなく聞いてみたとか、そんなのじゃない真剣な声。
本当に私を知ろうとしてくれてる、そう思った。