何度でも、伝える愛の言葉。

先生を守りたいとか、そんな大それたことを思っていたわけではない。

ただ、この蔑むような話し声を先生の耳には入れたくないと思っただけだ。



『あれ、すげぇ嬉しかった。あんなこと言ってくれたの日々野さんが初めてだから。』

「先生は、」

『ん?』

「言われっぱなしで良かったんですか?違うなら違うって言えば良かったのに…。」


どんな噂も、痛々しい程に聞こえないフリをして。

私だったら、そんなの耐えられない。



『良いんだよ、俺は。』


そい呟いた先生が、再び私を拒絶しているように思えた。



「良くないよ…。」


だけど、もう怯まない。
怯みたくない。



「先生がメンバーを裏切って、自分1人だけ良い条件でデビューしようとしてたって。皆そんなこと言ってたんですよ?そんなの、許して良いわけない。」

『日々野さんは、それが噂じゃなくて本当のことだとは思わないの?』


まっすぐに私を見てそう聞く先生の目は、まるで人を信用していないような目だった。


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