何度でも、伝える愛の言葉。

「思いません。」


そんな先生の目をまっすぐに見つめ返して答える。

思わない、絶対そんなこと。



『なんで言い切れるんだよ。』

「だって…もしそれが本当なら先生は今ここに居ないでしょう?」


先生はきっと、本当は優しくて素直だ。

だから、



「仲間を裏切るなんて、先生がそんな酷いことするはずない。」

『酷いこと…。』


そう呟いたきり、先生は俯いて黙ってしまった。


傍に行きたいのに、なぜか足が動かない。

もう、あんな風に優しく突き放されたくないから。



「先生…?」


不意に先生の手と肩が動く。


…泣いている?


アシンメトリーの前髪の間から覗いた目は、確かに涙で濡れていた。



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