何度でも、伝える愛の言葉。
「もうひとりになりたくないの…。」
ただ離れたくない。
ただ傍に居てほしい。
『澪…。』
もう1度頭を撫でようとした先生の手を、今度は避けられなかった。
大きくて温かいその手の優しさを感じる度に、失ったときの寂しさも想像してしまう。
『俺はお前をひとりにはしない。』
だけど先生の声が、その寂しさも拭い去ってくれた。
「本当?」
『本当。約束する。』
目に見えない約束を無条件で信じる素直さは私にはなくて。
それでも私は先生の言葉を信じたかった。
『だから澪も、俺をひとりにしないって約束してくれるか?』
「うん、約束する。」
この約束をずっと忘れたくないと思った。
自分がまた誰かを信じられたことも、覚えていたかった。
だけどやっぱり、目に見えない言葉は脆くて不安定だった。