何度でも、伝える愛の言葉。

『澪ちゃんの、何の話…?』


誠太は明らかに動揺している。



「スクール辞めた理由。」

『早坂って先生いるじゃん、悟がよく言ってる。その先生と何か関係あるんじゃないかって話してたんだよ。』

『へ、へぇーそうなんだー。』


それだけ言うと誠太はそそくさとドラムの椅子に移動する。

軽く受け流したつもりなのかもしれないけど、何かを隠していることは簡単に分かる。



『へぇーじゃなくてさ、お前澪から何か聞いてない?よく喋ってんじゃん。』

「てか聞いてるんだろ?そんなに隠そうとすんなよ。」

『別に隠してなんか…てか2人して何だよ!怖っ!』


2人に詰め寄られても口を割る気配のない誠太に悠斗が小さく溜め息を吐く。



『大事なことなんだよ、これからのバンドにとって。』


悠斗の言葉に誠太は勢い良く顔をあげて、縋るような視線を向ける。


…なんだよ、お前も本当は話したかったのかよ。


バンドの為という理由があれば素直に話もできるだろう。



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