何度でも、伝える愛の言葉。
早坂に会いに行こうと決めたのはそれからすぐのことだった。
澪は変わらず明るく練習に参加している。
曲作りも進んでいるし、端から見たら順調なバンド活動に見えるだろう。
だけど、いつも心には澪のことがあった。
俺たちに半ば強引にバンドに入れられ、嫌だとも辞めたいとも言えないまま続けているのではないか。
今もまだ、ピアノを辞めたいと思っているのではないか。
だけど、もしそうだとしても俺たちは澪を辞めさせることはできない。
澪は既に、バンドにとってなくてはならない存在になっているのだから。
それはバンドだけでなく、俺にも同じように言えることだ。
「早坂先生に会いたいんだけど。」
『え?お前が?』
俺がそう伝えると、悟はもちろん驚いた。
それでも切実な俺の顔を見て、すぐに真剣な目になる。