何度でも、伝える愛の言葉。
『なんでお前が早坂先生に会いたいわけ?』
「悟は、何も聞いてないのか…?」
『聞いてるよ。澪がスクール辞めた理由のことだろ?』
今もスクールに通う悟でも、その理由は分からないのだろうか。
「話したいんだ。」
『お前が何を話すんだよ。澪からしたら余計なお世話なんじゃね?』
「そうかもしれないけど…それでも俺は納得できないんだよ、このままじゃ。」
このまま、澪が傷を負ったままじゃ納得できない。
いつまでも同じ場所に留まり続けているように見える澪の背中を押せるのは、今1番近くに居る俺たちではないのか。
『分かったよ、一応聞いてみる。…でも俺は、早坂先生は悪くないと思う。』
淡々と言った悟の声には妙な説得力があった。
悟が早坂を慕っていることは普段から聞いているし、よく分かっている。
澪と早坂には何もなかったと、悟が信じていることも。