淡花色
家の中に入ると時代錯誤な感じのする着物着た女性がいた。
これが少女の姉なのだろう。

「お帰りなさい。……その人は?」

初めて見る顔の僕に彼女は尋ねた。その言葉を受けて妹が答えた。

「絵をくれた人。絵を時々見にきたいっていうから…」

「どうもはじめまして。」

紹介された勢いで僕も挨拶をしておく。それにしても……絵はいつの間にかあげたことになっている。
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