淡花色

骨董屋から僕の下宿までは歩いて10分ほどだった。どうしてこれまで気がつかなかったのだろう。案外見ようとしないものは見えていないのかもしれない。

下宿の自分の部屋に戻ると部屋の真ん中に紫陽花の話が一株落ちていた。

誰が置いたのだろう。2階だから部屋の窓は開けっ放しになっているから子供がいたずらで投げ込んだのだろうか。

僕は投げ込まれていた紫陽花を部屋の隅に埋もれていた花瓶にさしておいた。
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