メガネクラス ~0組の僕ら~

「…お前ら…」

柴田先生は目に光るものを拭った。

「…ところで……」

『ん?』

「詩織と新はどうした?
それに、野乃もいないし…」

「あぁ、それは…」

貴広が説明しようとすると、里菜がまたとしても、ハリセンで貴広の頭を叩いた。

「いってぇ!」

「バカ貴広!
野乃がさらわれたことを柴犬に言う気!?
そんなことしたら、柴犬、心配するじゃないの!」

里菜は小声で貴広に言った。

「あ、納得」

「ん?
どうしたー?
詩織と新は…」

その時。
いきなり0組の教室のドアが開いた。

“バーン!”

< 34 / 107 >

この作品をシェア

pagetop