メガネクラス ~0組の僕ら~
「…復讐だ」
八尾は目を細めた。
「…今から1ヶ月前のことだ」
「1ヶ月前?」
「そう…あの日は雨が降っていた…。
私は会社に向かうためにバスに乗っていたんだ。
隣には赤い傘を持った小学生の女の子。
そしてバス停に着き、バスから降りようとすると…」
「…あれ……」
四葉は八尾が発した“赤い傘を持った小学生の女の子”という言葉にふさわしい子を見た覚えがあるのだ。
「いきなりその小学生が私にぶつかってきたのだ!
もちろん怒った。
小学生がぶつかってきたわけだからな」
「ちょっと待って!!」
四葉は八尾に待ったをかけた。
「…そう、お前だ。
私が小学生を叱っているときに、
割り込んできたのは」
「確かに私だよ。
でも…あの子何回も謝ってたじゃん!
それなのに、あなたはあの子の頬を叩いたじゃん!!!
だから私は止めたんだよ!」