メガネクラス ~0組の僕ら~
沈黙を破ったのは貴広だった。
「…多分みんなもおんなじこと、考えてると思うんだけどさ」
貴広はしばらくしてから、
「…みんなである決意をしないか?」
と言った。
「…うん」
「やっぱりそうなっちゃうよね…」
「でもでも寂しいのねーん…」
「…私たちも羽ばたかなきゃいけないんだね、未来に」
女子が順番に言った。
「…確かにここで決意しなきゃ、何も始まらないからな」
新もあとからポツリと言った。
「別に自分自身が変わる必要はないんだ。
だけど…だけど、今を変えなきゃいけない。
分からないけど…、今回のことを通じてそう思ったんだ。
…だからまずは、最初の一歩をこの7人で踏み出そうぜ」
貴広は見たこともないような顔で笑った。