メガネクラス ~0組の僕ら~

「しっかし…、その格好はひどいな…」

新が見苦しそうに言った。

柴田先生は左腕を包帯でぐるぐる巻きにされ、左足はつられて固定され、さらに頭も包帯でぐるぐる巻きにされている、という格好であった。

「あぁ…。
なにせ骨折、骨折、出血だからな!
ガハハハハ…った!」

柴田先生は左腕を押さえた。

「ふーッ…。
笑うと身体中が痛くなってしまうんだよ…。
不便で不便でたまらないよ…」

「まーまー…。
しょうがないっしょ…」

「あぁ…そうだな…」

柴田先生はため息をついた。

その時、野乃が急にこんなことを言った。

「…柴犬…いや、柴田先生。
私たち…、これからはマジメになろうと思うんだよね」

「えっ?」

柴田先生は驚いて7人の顔を順番に見た。
7人はただ、微笑んでいるだけだ。

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