白い羽根とシャッター音
綺麗なもの 彼side





昔から、綺麗なものを写真に収めるのが好きだった。

それは、カメラマンという職業に就いてからも変わらない。




自分がその一瞬一瞬に、綺麗だと思ったものだけを写真に撮っていく。




そんなある日。
家に帰宅したら、白い羽根を持った真っ白なワンピースの、少女とも女性ともつかぬ女の子が部屋にいた。






羽根を見た時、驚きとかよりも先に、目を奪われた。

天使がいたら、こんな感じなのかと思った。



「天使が、いる」

思ったことをそのまま言うと、写真を見ていた彼女は、ゆっくりとこちらへと振り向いた。


彼女の姿を目にいれながら、誰なのか尋ねてみると、彼女はすごく驚いた表情をした後、かなり動揺していた。

そんな様子が、なんだか面白くて黙ったまま彼女の反応を待ってみる。





彼女は、ふぅーと深呼吸をした後、真っ直ぐこちらを見つめ、

「私の姿が、見えてるんですか?」


と尋ねてきた。

不思議に思ったが、その問いにコクリと頷き、彼女の羽根を指差す。



「白い、羽根」

と言葉を漏らすと、彼女はものすごく焦った表情をした後、頭を抱え始めた。



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