白い羽根とシャッター音
絵画とか本とかで見かけるような天使とは、少し違ったが、その白い羽根はすごく綺麗だと思った。
だから、カメラを構え、パシャッと写真を撮ったが、確認してみると何故か彼女の姿は写っていなかった。
不思議に思い、カメラと彼女を交互に見てしまう。
確かに、目の前にいるはずなのに。
「あ…、あの…」
「君、写真に写らない…」
綺麗なものを見つけたのに、写真に撮れない。
ガッカリとしていると、彼女が少し深呼吸をした後、
「私のこと怖くないんですか?」
と尋ねてきた。
…………怖い?
「なんで?…綺麗」
と思っていたことをそのまま言うと、彼女は狼狽えながらも言葉の意味を探るように、何がと聞いてきた。
「羽根…」と、その真っ白な羽根を見つめながら答える。
「白い羽根…、初めて見た、綺麗」
彼女の顔が驚きに満ちる。
目を見開き、やがて俯いてしまった。