白い羽根とシャッター音
丘に着くと、太陽が沈み始めていた。
彼女は、わぁ…っ!と夕日に感嘆の声を漏らした後、桜の木の元へと走っていく。
木の幹に手を添え、スッと目を閉じる彼女。
夕日をバックに、目を閉じた彼女がすごく神秘的だった。
天使じゃないって、彼女は言ってたけど、やっぱり天使なんじゃないのか。とぼんやりと思った…
…綺麗。
無意識のうちに、カメラを構え、シャッターをきっていく。
ファインダーごしに彼女を見つめていたら、
夕日を撮っているのかと勘違いしたのか、彼女はスッと横にズレてしまった。
残念に思いながらも、そのままシャッターをきり続け、夕日を写真におさめる。
やがて、辺りは濃紺へと変わっていった…。