白い羽根とシャッター音






実は、私は未だに死神見習いのままなのである。

正式な死神になるには、人の魂を100コ、つまり100人の人間の死を見届けなければいけないのだ。

そして正式な死神になった者には、死神としての個人の名前が与えられる。



そんな私は、未だに魂の回収数は0コ。
つまり、死神見習い。

そんな見習いには、名前がないのだ。








「白い羽根なだけでも、悪目立ちしてるのに1年経った今でも見習いとか、更に目立ってるぞ」


ケラケラと笑う同期、もとい、ネロ。



「笑わないでよ!ネロだって始めの頃は、全然だったじゃない…」


「でも、今はもう正式な死神さ。白羽根ちゃんとは違ぇーよ!」


得意気な顔を向けてくるネロ。
ムカツクけど、いつまでも見習いのままで私もいる訳にはいかないのだ。
毎度毎度、冷やかしにくるのは、ネロなりに私を心配してくれてるんじゃないかなって、思っている。

…買い被りすぎかもしれないけど。





「おっと、そろそろターゲットの寿命がくる時間だな!…さっさとお前も、回収しろよな!」



じゃーな、白羽根ちゃん。と最後まで嫌味を忘れずに去って行くネロ。




< 3 / 50 >

この作品をシェア

pagetop