白い羽根とシャッター音
実は、私は未だに死神見習いのままなのである。
正式な死神になるには、人の魂を100コ、つまり100人の人間の死を見届けなければいけないのだ。
そして正式な死神になった者には、死神としての個人の名前が与えられる。
そんな私は、未だに魂の回収数は0コ。
つまり、死神見習い。
そんな見習いには、名前がないのだ。
「白い羽根なだけでも、悪目立ちしてるのに1年経った今でも見習いとか、更に目立ってるぞ」
ケラケラと笑う同期、もとい、ネロ。
「笑わないでよ!ネロだって始めの頃は、全然だったじゃない…」
「でも、今はもう正式な死神さ。白羽根ちゃんとは違ぇーよ!」
得意気な顔を向けてくるネロ。
ムカツクけど、いつまでも見習いのままで私もいる訳にはいかないのだ。
毎度毎度、冷やかしにくるのは、ネロなりに私を心配してくれてるんじゃないかなって、思っている。
…買い被りすぎかもしれないけど。
「おっと、そろそろターゲットの寿命がくる時間だな!…さっさとお前も、回収しろよな!」
じゃーな、白羽根ちゃん。と最後まで嫌味を忘れずに去って行くネロ。