白い羽根とシャッター音
体が消えていくのが自分でもわかる。
「さくら!?」
「叶多…ありがとう。ネロも、ありがとう。これからは、私じゃなくて叶多を見守ってくれないかな…?」
「それは約束しねぇよ」
ぷいっと後ろを向いてしまうネロ。
「そっか、…ふふ」
ちゃんと、笑えているだろうか。
「叶多、もし叶うなら私…もう一度叶多と出会いたい」
コクリと頷いた叶多から、ポロリと一粒涙が零れ落ちる。
「……ほんとは、白い羽根が綺麗っていうのは口実で、さくら自身が綺麗だと思ってた」
「え…」
「さくらのこと、好きだよ」
その言葉で、もう私の涙腺は崩壊した。涙が次々と溢れ、止まらなかった。
もう叶多の温もりを感じることができないくらいに、体はほぼ消えていた。
「叶多…私の分まで、生きて…ね………」
そこで私の意識は消えてなくなった。