白い羽根とシャッター音
白い羽根
今回のターゲットの名前は、『飯塚 叶多(いいづかかなた)』。
年齢は、26歳。職業は、風景を専門に撮ってるカメラマン。
…まだまだ若いのに。
寿命は、人それぞれに違う。
今回の人の様に20代で寿命がきてしまう人もいれば、80歳や90歳までの人もいる。
また、死因もそれぞれ。
今回の飯塚さんは、交通事故に遭い搬送先の病院で亡くなることになっている。
こんな風に寿命・死因までもが決まってるなんて人間は知らないんだよね…。
運命なんて残酷なものだ。予め決まっているんだから。
飯塚さんの部屋を窓の外から覗き見る。
…本人は、不在のようだ。
「お邪魔しまー…す」
なんとなく、一声かけてから窓をすり抜け、部屋の中へと入る。
ガランとした、家具も物も少ない部屋。
必要最低限の家具も、白と黒で統一されシンプルな部屋だ。
隣の部屋は、寝室だろうか。
失礼しますよーと、独り言を呟きながら閉じられてる扉をすり抜ける。
部屋の中へと入り、ハッと息を呑んだ。
目に飛び込んできたのは、壁一面に飾られた写真。
海に沈んでいく夕陽の写真だったり、躍動感溢れる滝の写真、四季折々の花々の写真…と、目を奪われてしまうほどの綺麗な風景写真。