打ち上げ花火とミルクティ
我に返った時には、店には誰もいなかった。



あの人の元へ行かなければ。



璃梨はそう思い、辺りをキョロキョロと見渡した結果、ステージに上がり、女が消えて行ったステージ脇へと入った。



赤いベルベットのカーテンを開けると、そこには工具やら脚立やらが置いているだけで、人の影はなかった。



その先に、うっすらと光が漏れているドアがあった。



あそこだろうか。



璃梨は何かに引きずられるかのように、そのドアへと歩を進めた。
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