打ち上げ花火とミルクティ
これには小さな画面と緑と赤の二つのボタンがついている。



画面には、行動の指示が書かれている。



今は『病院内でお待ち下さい』と書かれているが、少し時間が経つとアラームが鳴り『○階○○科待合室にてお待ちください』という風に書きかえられる。



さらに時間が経つとまたアラームが鳴り『○○番の診察室にお入りください』という指示に変わる。



緑のボタンを押すと、日付や時計なんかが表れ、もう一度押すと元の画面に戻る。



赤のボタンはアラームを止める為のものだ。



だだっ広い総合病院ではこんなものが大いに活躍するらしい。



「そうかな。まぁどっちでもいいや。じゃ、また」


「うん、じゃぁね」



恵斗と清子は、お互いにひらひらと手を振り合った。



先程受付で渡された機械にはまだ新たな指示は出ていなかったが、恵斗は特にする事もないので二階に上がる事にした。



ロビーの端にあるエスカレーターに乗った。二階に到着すると、案内板を見る事もなく自分が行くべき場所に向かった。
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