打ち上げ花火とミルクティ
「どうして全部百点が取れないの?習った事しか出ないでしょう?」



なら自分も同じテストを受けてみればいい。



それでもし全教科満点が取れるのなら文句はない。



内心ではそんな風に思っていても、それを口に出さないのが璃梨だった。



「ごめんなさい・・・」


「まぁいいわ。でも、次は絶対に百点を取りなさい。わかったわね。これから、塾の日数も増やしなさい。お父さんが帰ってきたら、報告しておきます」


「はい・・・」



全教科満点を取らなければ必ずこんな風に言われる。



よく頑張ったね、と褒めてなどくれない。



全教科満点を取っても、『これで当たり前。どうして前回は出来なかったのかしら?』と責められるだけだった。



どちらにしても責められる。
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