打ち上げ花火とミルクティ
階段を上がり、唯一の安らぎの場所とも言える自室に入る。



しかし、そこにも娯楽はほとんどない。



マンガ、テレビ、パソコンも一切禁止されている。



携帯電話は持たされているが、毎日欠かさず母親のチェックが入る。



メモリーに入っているのは、両親と数人の友達だけだ。



その友達というのも、母親が選んだ。



あの子と友達になりなさい、と。



そんなもので本当の友達になれるはずもなく、璃梨には気心の知れた友達というものが一人もいなかった。



彼氏など、もってのほかだ。
< 7 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop