時の彼方に君がいた
あれから一週間がたった。
変わらず水野と小雪は付き合っているようだ。
あとから聞いた話なのだが、
やはり水野の浮気性、知ってる人は
知っているらしい。
少なからず、小雪に哀れみや嘲笑を
向ける者はいるだろう。
小雪の幸せそうな顔を見るたびに
僕の心はちくりと痛んだ。
ヤツは学校にいる間は
僕に無言の圧力をかけ、
家に帰った途端、非難をあびせてくる。
しかし、自分で出ていって、
直接小雪に言う勇気はないようだ。
『学校が怖い』
臆病なヤツは恐怖に勝てない。
僕が小雪に言えば良いのだとは思う。
あの日勢いであんなことを言ってしまったが、(本音が混ざっているとはいえ)
小雪のことは大事に思っている。
しかし、あれ以来急速に仲良くなった
水野のことを裏切りたくもなかった。
だって彼は、
僕が欲しくて欲しくてたまらなかった
『友達』なんだから。
_______________ あの日から、
もう7年が経とうとしている。
僕の体が炎にのまれ
永遠に失われたあの日から。