一番星




「また繋ぐんですか?」

「やだ?」

「暑いです」



そう答えるとくすくすという先輩の笑い声が降ってくる。

なんですか、と見上げるととろけそうな笑みを浮かべている。



「そんなこと言って、星花も僕の手しっかり握ってるよ」

「っ〜〜!」



あたしはすぐさま先輩の手を振り払って、ズンズンと先を歩いて行く。



映画館みたいな床は音を吸収しても、あたしの気恥ずかしさは吸収してはくれない。




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