一番星




「ほら、星花。パンフレットと膝かけ。
せっかく天文部らしくプラネタリウムに来たんだから、楽しもう?」



おいて行ったのに欠片も怒っていない先輩を睨みつけながら見上げる。

奪うようにパンフレットと膝かけを受け取った。



そう。今日もデートはプラネタリウム。

──今日も、また。



「天文部って言っても、あたし別に星が好きだから入部した訳じゃないですし。
大体あたしたち、プラネタリウムばっかりじゃないですか」



そう言いながらもチケットを係員に渡して席に向かう。




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