一番星




瞬きをいくつ繰り返したことか。

確か、先輩の顔があっという間に近づいて、覆いかぶされるように影が重なって……⁉︎



香水とかではない、あたしが既に覚えきっている先輩の香りがしていた。



「星花が僕以外のこと考えてるって、なんかやだ」

「は⁉︎ 先輩なに考えて。こ、ここここ外!」

「星花のことだよ」



だから星花も僕のこと考えててよ、なんて言ってくるからもうだめ。

あたしはなにも言えやしない。




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