一番星
「ねぇ、ふたりは自分の一番星は見つかってる?」
「はい?」
意味のわからない問いに首を傾げる。
どういう意味ですか、と言うツッキーに先輩は曖昧な笑みを返していた。
「僕にもわからないんだよね。
その意味も、価値も」
う〜ん、と伸びをしている。
悩んでいるのか、特に意味のないことなのか。
「だけど、見つかるといいよね」
そう言って、先輩はようやく一番星から目を離す。
あたしを見つめる黒い瞳は星を映してひどく綺麗だった。