一番星
とうに引退した先輩。
受験生だから、と遠慮していたから久しぶりのデート。
帰る前に少しお茶して行こうかという話になって、いつも通りミルクティーとコーヒーを頼んだ。
寒くなってきたよね、と普通に話をしていて、先輩は「そういえば」と進路の話をし始めた。
「進路の話、してなかったよね。
僕、北海道の大学に行って星の勉強をするから」
そう言われた時あたしはびっくりして、そのあとすぐに妙な冗談を、と呆れた。
「なに言ってるんですか、全くもう」