一番星




その時、玄関からガチャッと扉の開く音。

確か今夜はお母さんは担当さんと食事のはず。



そこには逆さまの──いや、これはあたしが上を向いているだけか。

ぐるんと体をうつ伏せにして目の合ったままの彼をぱちくりと見つめた。



「お兄、ちゃん……⁉︎」

「ただいま、星花」





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